KISA Patent & Trademark Firm

きさ 所員座談会

外内特許座談会

参加メンバー

S・K
国内・外国業務を担当。弁理士のキャリア14年。
T・M
特許意匠部門 技術部所属。国内・外国業務を担当。弁理士のキャリア12年。
M・T
国内・外国特許の実務のキャリア約6年。
K・A
外内の事務と外国特許の事務を兼務。当所での外内事務としてのキャリアは15年。

“お客様ファースト”でお客様と
深い関係性を築けるビジネスを

外国と日本の
制度の違いによって生じるギャップ。
いかに埋められるかで手腕を問われる業務

外内特許チームについて教えてください。

S・K

外内特許チームでは、外国のお客様の日本への特許、実用新案、意匠の出願及び中間処理の代理、権利の年金管理や移転登録等の代理業務を行っています。ちなみに、「外内」とは「外国のお客様が日本に出願する国内案件」という意味です。外国のお客様は人工関節や化学、材料系の開発を行っている企業、光学系、車関連のメーカなどさまざまです。当所が特に得意としているのは機械や電気系ですが、ご依頼いただいた際は国内のお客様とコンフリクトしない限り、できるだけお受けするスタンスなので、実際の取り扱い分野は多岐にわたります。また、特許と意匠の両方に対応しており、同じ製品を特許と意匠の両面で同じチームでサポートしています。

最近はどのような相談や案件のニーズが高まっていますか。また、外内特許チームでは、それらに対してどのような対応をしていますか。

T・M

分野で言うと、バイオ系のご依頼が増えてきている印象です。外国の代理人からもバイオ系を任せる事ができる先を探していると話を聞いております。こうしたバイオなどの新しい分野については、ご依頼いただくたびに都度勉強して対応しています。

S・K

新たな案件が来るたびに「勉強しないと」と内心ドキドキします(笑)。私たちの業務では直接出願とPCT出願とあるなかで、PCT出願の対応が引き続き多い傾向にあります。私たちの業務は外国で出願されたものをもとに日本に出願することですが、外国のお客様は自国の制度に精通していたとしても、日本の制度に必ずしも明るいわけではありません。すでにある出願内容をいかに日本の制度に合わせられるか、外国だと通るのに日本では通らない部分のギャップを埋めるという所は、この業務において注力するポイントであり、当所の腕の見せ所ではあるかと思います。

T・M

例えば根本的な部分は一緒ですが各国のクレームドラフティングは国ごとに方式が異なっており、外国の方式を日本の出願にそのまま適用してしまうと日本の特許庁では受け入れられないということがあります。日本の特許庁に受け入れられない理由説明を英文で外国のお客様に送り、了承を得て日本の実務に適した形に直すのは大変ではありますが、日本の法制度を分かりやすく訳して説明し、ご納得いただいた上で書類を提出するのが、外内の実務では一番ですからね。

K・A

そうした対応を評価いただけているのか、私が入社してからずっと、継続してお仕事を依頼してくださる外国のお客様も多いですね。一方で、突然ポルトガルや南米から連絡が来て、お付き合いが始まることもあります。

T・M

当所には特許部門の他、商標部門がありますが、商標経由でお声掛けいただけることもあります。それから、国際会議で知り合った方からもご依頼があります。

ビジネスの主眼に置いているのは、
お互いの距離を縮め、関係性を深めること

きさ特許商標事務所、そして外内特許チームの特徴や社風を教えてください。

S・K

コロナ以降はテレワークが増えたこともあって社内は比較的静かですが、顔を合わせていなくてもコミュニケーションがスムーズな職場ですね。

M・T

私はこちらのチームに入ったのが3か月前なのですが、国内業務を担当している時から一緒にやり取りしているメンバーもいるので、気兼ねせずいろいろ聞ける関係性があると感じています。業務ではグループチャットを使って相談し合ったりもしていますが、チーム内の人間関係における心理的な不安はないですし、信頼感を持って業務を進められる現場だと思います。

K・A

コミュニケーションがしっかり取れているので、仕事がとてもやりやすいです。こちらで処理する書類も細部まで整ったものを渡してもらえるので、処理だけではなく、お客様への連絡も安心して対応できます。

コロナ禍によって、代理人とのやり取りにも影響はありましたか。

S・K

昨年くらいからは外国の代理人の訪問も再開し、コロナ前の状態に戻ってきています。実務的なお話はもちろんしますが、私たちがやり取りで主眼を置いているのは、「お互いのことを知り合う」ということです。

T・M

お会いする時は外国の代理人の方に事務所のご説明をして、我々のことを深く理解していただけるように努めています。メールではなく対面でお話すると、実際にビジネスに発展するかどうかは別として、お互いの距離が縮まり、関係性も深くなるという実感はあります。

大切にしているのは、
“お客様ファースト”で
お客様の一歩先を考えて動くこと

仕事をする上で、大事にしていることや求められるスキルを教えてください。

T・M

まずは、読み書き両方の英語のスキルは必須です。それから日本の法律と実務に理解がある上で、それを英語で表現するスキルも必要です。

S・K

外国のお客様に限らず、「権利化したい」というお客様の強い想いと、審査官に簡単には通してもらえないという現状の間でどう妥協点を探っていくのかは、この職務の課題だと感じています。より良い妥協点を探すことはスキルとしても必要ですし、個人的に高めたい所ではあります。そのためにも、いつもお客様のご要望の一歩先を考えられるように動くことを意識しています。

M・T

日本の法律をはじめ、お客様が知りたいことをどこまで細かく説明してあげるのが良いのか、相手の気持ちや状況を汲み取りながら仕事をしていくことを大切にしています。「自分がされて嫌なことをしない」。これをモットーに丁寧な仕事をするようにしています。また、焦るとミスも起きやすいので、何でも前倒しで余裕を持って対処するように心掛けています。

K・A

外内業務は、外国のお客様が自国で出願した案件を日本で出願するものですので、国内のお客様とは異なり、当方が受任の見通しを立てることができません。そういった状況でご依頼いただいたものをどう処理するかが基本なので、まずは“お客様ファースト”で物事を考えるようにしています。例えば、お金が戻って来るようなことがあればご意向をうかがうなど一つ一つ細かく確認しながら、お客様にとって有益になるような処理、レスポンスを心掛けるようにしています。お客様の一番の目標は「日本での権利化」です。また、それが叶った時に送られる特許証は、言ってみれば関係者やチームの努力の結晶でもあります。それを一日でも早くお届けできるように、最後の処理まで抜かりなく進めていくように努めています。

常にアンテナを張り、最新情報を蓄積。
独自の期限管理体制や
高い英語力で業務をスムーズに進行

期限管理については、どのように管理を行っているのでしょうか。

事務所全体で全案件を管理しているシステムがあるのですが、外内の場合、お客様から予告なく連絡が来ることもあり、システムに載らないイレギュラーな期限が発生します。そういったことにも柔軟に対応できるようにチーム内で管理表を作っています。週に1回はその表を確認し、チームで報告し合うことをルーチン化して、お互いに見忘れがないように声掛けもしています。

外内特許チームの強みや、アピールポイントを教えてください。

S・K

量子コンピュータや、AI など最新かつ複雑な技術の出願を扱うことは容易では ありませんが、日頃から技術情報の蓄積に努めています。また、特許庁や弁理士会、さらに代理人からの法改正などの情報なども迅速にキャッチして共有し、最新の制度に関する情報の獲得も注力しています。

それから、英語が堪能なスタッフが揃っているので、丁寧なコミュニケーションで業務をスムーズに進めることができます。特許制度は国ごとに異なるため、出願を通すためには外国代理人や出願人との認識合わせが非常に重要になってきます。技術担当、事務担当ともに外国案件の経験も豊富で外国の実務にも精通していますから、先述したようにお客様の意図を汲み取って日本の実務に合わせ込めるというのも、私たちの得意な所ではあると思います。最近は拒絶理由通知を機械翻訳やAI翻訳で理解して応答を検討する外国代理人や出願人であるお客様も多いですが、翻訳の精度は高まっているものの審査官の意図が必ずしも反映されるとは限りません。当所では審査官の意図と外国代理人や出願人の認識とにズレがあると感じたら、現地代理人や出願人に連絡をとってズレを埋めるよう努めています。

T・M

日々の確認連絡や結果報告などをはじめ、少しでも早く外国代理人や出願人であるお客様にレスポンスや対応ができるよう動いているので、急ぎの案件も、最大限何とかしようと取り組みます。これは稀な例ですが、出願期限当日に国際電話で依頼を受けて、対応した案件などもありました。その時、私はテレワーク中で在宅でしたが、事務の方から連絡を受け、国際電話を私の携帯に転送できるのかどうかからスタートして……何とか無事に出願することができました。普段は静かで穏やかな職場ですが、何かあればチーム力と火事場の馬鹿力を発揮できるのは強みの一つではないでしょうか。

お客様に選ばれ続けるために、
経験を強みにレベルアップをしていきたい

最後に、今後のニーズに対する外内特許チームとしての対応と、お客様へメッセージをお願いします。

S・K

外国のお客様の日本への出願は、お客様の事業ニーズに依るものであり、一件一件の出願の重みは大きいと思うので、お客様に選ばれ続けるためにも、より良い形で権利化を実現するスキルをレベルアップしていければと考えています。

T・M

外国のお客様の場合、外国出願人とその外国代理人がいて、外国代理人を通じて当所が指示を受けるというのが通常の流れになります。権利範囲は慎重に検討しなければなりませんし、費用も発生することから外国のお客様の意思決定には時間が掛かることも想定されます。そういったお客様の実情も受け止めながら、さまざまな実績を積んできたという自負はありますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

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